断酒の効果とメリット:30代でお酒をやめた私が得た3つの大切なもの
お酒との距離を見直すことで得られるもの
もし、お酒との距離を見直すことで、家族との時間が増えたり、やりたかったことに取り組めるとしたら、あなたはどうしますか?
30代の変化とストレス
30代になると、仕事やプライベートで大きな決断をすることが増えてきますよね。昇進や異動、転職。子供が生まれたり、マイホームを購入したり。そんな変化が重なる時期には、どうしてもストレスが溜まりやすくなります。今回は、僕がそんな状態から断酒を始めて、少しだけ人生が楽になったお話をさせてください。
私の断酒の経緯
今、僕は断酒して1年以上が経ちました。お酒を飲みたいと思うことはありませんが、友人と一緒に居酒屋に行ったり、会食にも参加しています。もちろん、お酒は飲んでいません。
断酒前の生活とお酒の影響
断酒する前は、ほぼ毎日お酒を飲んでいて、少ない時でもビール350mlを2本、多い時は記憶がなくなるほど飲んでいました。特にウィスキーが好きで、家には何十本ものボトルが並んでいました。仕事でも、月に3〜5回は仲間と一緒に飲みに行くのが当たり前でした。
でも、気づけばお酒の量をコントロールできなくなり、次第に日常生活にも影響が出てきました。お酒の場で感情的になったり、盛り上がりすぎて終電を逃したり、電車で寝過ごしてしまうことも増えていきました。
変わり始めたきっかけ
お酒は人と人を繋ぐだけでなく、人生に彩りを加えてくれる存在だと信じていました。しかし、30代に入り、転職を決意して新しい職場での挑戦が始まりました。プライベートでは結婚し、妻が妊娠して、家も購入しました。さらに父を亡くし、葬儀を終えた後、これまで感じたことのないような重いストレスが心にのしかかりました。
やりたいことはたくさんあるし、家族との時間も増やしたい。でも、新しい職場でも成果を出したい。そんな中で、ストレスを抱えながら生きてきましたが、徐々に体調が悪くなっていきました。睡眠が浅くなり、無気力になり、メンタルにも支障が出始めました。
決定的な出来事と断酒の決意
ある日、上司と飲んでいる時、いつものようにお酒が進むうちに、気づけば感情が高ぶり、上司と口論になってしまいました。翌朝、激しい頭痛とともに目を覚まし、前夜の出来事を思い出しては、自分の失態に深く後悔しました。
その日、上司にどう謝るべきか悩みながら一日を過ごし、家に帰ると妻が静かに言いました。「あなたもそろそろ、お酒との付き合い方を考えた方がいいかもね。」妻は妊娠してからお酒を断っていて、僕の飲み方にずっと不安を感じていたようです。これを機に、今が断酒を決意する時だと強く感じました。
断酒初期の不安と苦労
断酒を始めた頃は、思っていた以上に不安や苦労がありました。まず、夜が急に暇になったことが一番辛かったです。以前は、食事と一緒にビールを楽しみ、食後もウィスキーを片手に深夜まで過ごしていた時間が、突然ぽっかりと空いてしまいました。食事を終えた後、何とも言えない虚しさが心に広がり、何をしていいのか分からなくなりました。次に、友人を誘うのが難しくなりました。以前は「今度飲みに行こうよ」と気軽にLINEを送っていましたが、断酒を始めた今、飲まないのに飲みに誘うのはどうだろうと悩むようになったのです。そして、夏の夕暮れ時、テラス席でビールを飲んでいる人たちを見かけると、思わず喉が渇き、生唾を飲み込むこともありました。「今日くらいいいか…」と、心が揺れることも何度もありました。
周囲のサポートと断酒の継続
振り返ると、断酒が1年以上続けられているのは、家族の支えと、友人や同僚の理解があってこそだと感じています。
妻は、私が断酒を始めてから、自宅にあったお酒をすべて片づけ、冷蔵庫には常にノンアルコール飲料をストックしてくれました。飲みたい衝動があっても、冷蔵庫に手を伸ばせばノンアルコールビールが待っているという安心感が、どれだけ助けになったか分かりません。また、友人や同僚も私が断酒を始めたことをすぐに理解してくれました。お酒を飲まなくても飲み会に快く誘ってくれ、こちらから誘っても、何も変わらない態度で接してくれる彼らの存在が、どれほど心強かったか分かりません。
断酒は、自分の意思だけでできることだと思われがちですが、実際には、周りの理解やサポートがあることで、ずっとスムーズに進むものだと実感しました。
断酒によって得られたもの
断酒によって得られたことはたくさんありますが、特に大きなものを三つ挙げます。
1. 睡眠の質が向上
お酒を飲まなくなってから、夜遅くまで起きている必要がなくなり、早く眠る習慣が身につきました。早く寝ることで朝も早く起きるようになり、そのおかげで夜に悩むことも少なくなりました。さらに、朝の時間を自分のやりたいことに使えるようになり、こうした記事の作成もすべて朝に行っています。朝の活動的な時間と相まって、以前抱えていたストレスもかなり軽減されたと感じています。
2. 家族との時間が増加
以前に比べて飲みに行く回数が減り、たとえ行ったとしても二次会には参加しなくなりました。その分、家族との時間に充てることができています。飲み会が終わっても、お酒を飲んでいないので、家族といつも通りのコミュニケーションが取れることが何より嬉しいです。(お酒を飲んだ日は、夜遅く帰り、夜食を食べたりと、いろいろと迷惑をかけていました…。)
3. 趣味に使えるお金が増加
以前は週に六日飲んでいて、1日あたり平均1500円ほど使っていたと思います。それが一年で約55万円になります。そのお金を使って、コーヒーを淹れる趣味を始めたり、カメラを買ったりしました。毎朝、お気に入りのコーヒー豆を使ってコーヒーを淹れて過ごす時間が、今ではとても癒されるひとときとなっています。
最後に読者へのメッセージ
最後に、これを読んでいるあなたに、心から伝えたいことがあります。
先ほど紹介した断酒によって得られたものは、断酒しなくても実現できるかもしれません。お酒を控えめにすれば、何とかなることも多いでしょうし、週に1日だけ飲むなどの工夫で十分だと感じるかもしれません。確かに、それも一つの方法です。
でも、私は自分の意志が本当に弱いと感じています。1日飲むなら6日飲みたくなるし、1杯飲んだら2杯、3杯と次々に飲みたくなってしまいます。実際、妻と翌日に楽しみにしていたディズニーの予定があったにもかかわらず、酩酊状態で帰宅してしまったこともありました。そんな自分だからこそ、断酒という強い決意を持って、自分を変えようとしています。
断酒と聞くと、少し寂しい気持ちになるかもしれません。お酒を飲み交わすことでしか味わえない特別な雰囲気もありますし、美味しいレストランでのペアリングを楽しむ瞬間を逃したくない気持ちも理解できます。今はまだ飲みたいとは思いませんが、もしそうした場があれば、妻と一緒にその瞬間を楽しみたいと心から思っています。
ただ、断酒とは決して「もう二度と飲まない」というわけではありません。もっと気軽に捉えてもらって構いませんが、最低でも1年は続けてみてください。
1年が過ぎる頃には、きっとお酒を飲みたいという気持ちが薄れてくるでしょうし、仮に飲んだとしても、以前のように強く依存することはなくなると思います。
お酒を飲まない生活は、あなたが想像するほど辛くて苦しいものではありません。むしろ、断酒を通じて、家族とのかけがえのない時間や、日常の中に隠れている小さな幸せに気づくことができるでしょう。
もしお酒との付き合い方を見直したい、自分の時間をもっと大切にしたいと感じているなら、ぜひ断酒に挑戦してみてください。不安を感じたり、心が折れそうになった時には、いつでも連絡してください。あなたの挑戦を、心の底から応援しています。